三枝博士
三枝博士のおしりクリニック
その病院、ドクター、大丈夫ですか?
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1.なんでもかんでもジオンの病院に注意
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近年不適応の状態にジオンを打つ病院があり、倫理的、医療財政的に問題になっています。中には「何が何でもジオンに持っていく、一旦受診してしまったら言いくるめられて患者さんは何も言えない」という言語道断な場合もあります。
ジオン注射は一回5万円(自己負担1割〜3割)もする高価な治療です。強い注射ですからリスクがあり、効果不十分や合併症で悩む患者さんもいます。日帰りですむ、痛くないという謳い文句に乗って無用な処置を受けないようお願いします。
2.すべてが日帰り手術の病院に注意
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おしりの病気はそんなに甘くありません。すべての病気が外来で治せるということは絶対にありません。
軽症ならともかく、重症ではある程度の入院は必要です。実際には日帰り治療でも痛くて仕事に行けず自宅療養をしている方が多くみえます。
3.無理な痛み止めを使うドクターに注意
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日帰り手術では術後痛いと困るため本来マラリアの治療薬「塩酸キニーネ」を痛覚麻痺剤として注射し無理に除痛する施設がありますが、薬事法で認められた方法ではないので注意して下さい。妊婦において胎児の死亡例が報告されています。
痛みは本来、体の異常を脳に知らせて生活行動にブレーキをかける必要なものです。
4.過剰な宣伝をする病院に注意
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おしりの病気を小馬鹿にしたり、茶化したりする広告は患者さんに対して失礼です。患者さんは真剣に悩んでいるのです。また患者さんにとって都合のいいことばかり宣伝してリスクや合併症の可能性を言わないのは意図的誘導としか言いようがありません。
週刊誌の「痔の病院」特集も広い紙面を使っているものは大枚を払って掲載してもらっているだけで診療が評価されているわけではありません。
5.ジオン症例が多すぎるのはおかしい
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当院は創立90年、小生は肛門科の専門医を32年しています。創立以来10万人の患者さんを診てきました。それでも新患は年に1500人で、その内ジオン注射が適応となる患者さんは300人、つまり5人に1人です。これは全国の歴史ある肛門科の専門病院ではほぼ同じ割合です。(痔核は初期のものならば排便管理とお薬で良くなります。)
ほかにも便秘の外来患者さん、内視鏡検査、裂肛、痔瘻、直腸脱の入院患者さんなどがいるため、これだけで一年中休みなく働きます。仮に医師一人で年1000人ジオン注射を行うということは、初診患者さんが毎年5000人、一日に17人初診患者さんがいることになります。1人15分として17人診るとそれだけで6時間かかります。こうなると他にも仕事はあるわけですから1日24時間では足りません。どう考えてもおかしなことです。普通に考えれば医師一人でできるジオン注射の数はせいぜい年間300例くらいまでが妥当だと思います。
6.本当に肛門科の専門医ですか?
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注射云々の前に便秘の治療をしっかりしてくれましたか。また、昨今では大腸内視鏡検査ができなければ良質な診察はできません。肛門科は排便管理を主とする地味な仕事です。
この地味な基礎をしっかりやってくれる人が本当の専門医でありよいドクターです。
7.いい先生は「痔」という言葉は使わない
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なぜなら不正確で軽蔑、差別的意味が込められた言葉だからです。
患者さんを傷つけたくなければ使わないはずです。