三枝博士
三枝博士のおしりクリニック
正しいおしりの治療法を学ぶ
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治療にかかる時間・スケジュール・退院後の生活
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病気の種類によりますが、概ね日帰り〜数日入院になります。
入院が必要な理由は、創(手術のキズ跡)の安静を保つ、創の処置方法、創に負担のかからない排便管理を覚える、合併症のおき易い危険な時間帯を医師の管理下で過ごす、痛みのコントロールができる、手術の際に充分な麻酔ができる、といったところで、勿論当クリニックでは不必要な入院は一日もありません。
退院後は家事など通常の日常生活が行えます。
退院後少しあれば通常の就労は可能で、通院は週1〜2回程度で、1ヶ月もあれば傷は治ります。
車、バイク、自転車の運転はお尻に負担が多い行為ですから、医師と相談して決めます。
手術前日か当日に入院して下剤を飲み、大腸内視鏡を行います。手術当日はベット上安静になります。 痛みは軽く、内服剤の服用か注射を射つ程度で済みます。その日の夕から食事はとれます。
本院では翌日までは粥食、その次の日に普通食となります。普通食をとった夜、下剤をかけ、翌日朝に排便があります。その後は下剤の量を加減して毎日排便があります。 手術翌日から歩行は可能で、入浴は次の日からになります。
日帰り手術〜短期入院
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社会的要望や医療技術の進歩で以前まで入院が必要であった手術が日帰り〜短期入院でできるようになったことは誠に喜ばしいことです。しかし近年「日帰り手術」という言葉があまりに一人歩きをしているように思えます。そもそも手術というものは,たとえ小手術でも前日は病院で安静にして体力を温存し、当日の夜は一番不安で痛みも強く合併症もでる時ですから、何が起きてもすぐ対処できるよう泊り、医師、看護師の近くにいるのがベストなのです。私が医師になった頃は日帰り手術という言葉すら存在しませんでした。現在は看護師不足(特に夜勤)、経営困難、医師の酷使(入院施設を持つことは殺人的ストレスです)など様々な事情で入院施設を持つことが困難なので外来専門のクリニックが多いのです。
日帰り手術というと、気軽におしゃれな病院に行って特別な手術をしてもらい、終わった後は痛みもなく仕事も家事も普通にできるというイメージを持っておられるかも知れません。しかし日帰り用の特別な手術があるわけではないのです。そして排便管理や疼痛管理、創処置などの術後管理は手術以上に重要なものなのです。それらが十分できないのが日帰り手術の欠点です。実際に受けた方から夜不安で困った、痛くて数日動けず結局仕事には行けなかった、処置の仕方が分からず困った、一人暮らしで身の回りのことをしてくれる人がなく困った、夜中や日曜日に排便時に出血して困った、病院に連絡したが薬を飲むしか仕方がないと言われて困った、医師と連絡がとれなかったなど様々なお話を伺っています。
ですから当院では日帰り手術は十分に診察をして日帰りの可能な疾患の状態かどうか、またその方の生活状況を十分見極めて行っています。場合によっては往診や毎日電話連絡もします。手術を請け負う以上、少しの油断もできないのです。日帰り手術の適応はまず痛みをある程度受容できる人、疾患では中程度までの痔核、中等症までの痔瘻、直腸脱、直腸粘膜脱、自宅があまり遠方でない方などです。短期入院(約1〜4泊)ではもう少し程度が悪くともできるでしょう。いずれにしても利益と危険性について十分相談した上で決めるようにしています。
日帰り手術で一番安全なのは技術をもった医師の手術を受け、夜も日曜日も診てくれ、いざとなれば入院もできる病院において二段構えで受けることです。
誰しも普通は入院を希望しませんので帰ってもらうのは簡単なことです。
問題はそれで根治性が損なわれないか、合併症で患者さんが困らないかです。本来入院すべき疾患を日帰り手術でうまく治すのは限られた医師にしかできない高等技術なのです。
私は肛門科の診療を30年、1万人近くの手術をさせてもらいました。当院は肛門科の専門病院として昭和3年から約5万人の手術を行っていますが、軽症はともかく重症の方を日帰りで行うのは患者さんに相応の負担がかかります。日帰り手術ありきの診療は論外です。